
雨がやんだ。
長い雨季がやっと終わり、カナダ南西部に、あの突き抜けるような青い空がまた帰って来た。
僕は一人、機材を抱え森へと入って行く。
雪解け水で勢いの増した小川が、轟々と唸りをあげて僕を出迎えてくれる。
足元はぬかるみ、木陰はまだまだ肌寒い。
・・・でも、そんな事、もう気にならない。
僕は辺りを見渡してから大きく息を吸い込み、それから静かに吐き出した・・・ふ〜っ・・・昨日までとはどこか違う初夏の匂いがする。
力強さを取り戻し始めた陽の日差しが、新緑の葉をキラキラと輝かせ、僕の気持ちを弾ませてくれる。重いはずの機材も、今はもう重みを感じない。
しばらく歩くと、小川の側に残された小さな水溜りを見つけた。
腰を屈めてそっと覗き込む・・・水面には新緑の葉が嬉しそうに踊りながら映り込んでいた。
夏はもう直ぐそこまで来てるんだ。
「お前も嬉しいのか?・・・」
僕が声をかけると、アメンボがぴょんとジャンプをして、波紋で大きな丸を描いてくれた。
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