
重たいトレッキングシューズを放り出し、一気に分厚い靴下も脱ぎ捨てた・・・
長い間窮屈なシューズの中に閉じ込められた足は、燃えるように熱く、ザックに押さえ込まれていた背中は汗でびっしょりだった。
「ふ〜っ・・・疲れた」
僕は岩の上に腰を下すと、ザワザワ楽しそうに歌う小川の中に、右足からそっと浸けてみた。
カッキーーン!
・・・と、一気に頭の中まで凍り付きそうなほど水は冷たく、辺りにはまるで天然の冷蔵庫のような涼しい風が吹き抜けて行く。
右足と左足、少しずつ交互に入れたり出したりを繰り返さないと、冷た過ぎてとても我慢なんてしていられない。
見上げると、遥か彼方の頂には、たっぷりと残った真っ白な雪が見え、足元には青々と茂るシダの若葉が輝いている。
日常の見慣れた空間を、とても素敵に思わせてくれるこの季節。
若々しい新緑の葉の間を擦り抜けて、初夏の光が僕を包み込み、心地良い小川のせせらぎを聞いているだけで、なぜだか自然と笑みがこぼれてしまう。
僕は、両手いっぱいにすくった水を、ざばっと思い切り顔にかけてから、最後に一つだけ残しておいた特製おにぎりに、これまた一枚だけ残しておいた海苔を巻いて、ガブッと大きくかみついた。
「ふ〜っ・・・最高においしい」
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