Photo breeze from CANADA (PhotoOfficeFujie)

カナダ・ブリティッシュコロンビア州・ミッション在住のカメラマン《藤江幸宏》が、バンクーバーの情報サイト「メイプルタウン」に掲載の写真を中心に、フォト・ブログとして毎月1日と15日にアップロード。

花見が・・・

      花見が・・・



花見が嫌いだ!・・・


どれくらいって・・・かなり嫌いだ。

いや、はっきり言って、大嫌いだ。




僕がまだ日本に住んでいた頃、春になるといつも不思議に思っていた。

「花見」って、いったい何なんだろう?

桜の木の下に皆が一時に集まって、どんちゃん、どんちゃか、大騒ぎを繰り返す。

良い場所を確保する為には、何時間も前から場所取りを開始する。・・・いや、何時間なんてもんじゃない、ブルーシートを敷き詰め、荷物を置いて何日も陣取る人達もいる。
わざわざ場所取りの為だけにアルバイトの学生を雇ったり、新入社員の最初の仕事が花見の場所取りだったりもする。


それほど桜が好きなのか?


でも、花見が始まっても・・・だーれも桜なんて見ちゃいない。
お酒飲んで大騒ぎしてるだけ。見てるのは花ではなく、真っ赤になった鼻だけだ。
次の日、「桜はどうだった?」なんて聞いてみても、どーせ何も覚えちゃいないんだ。

お酒も飲まない。タバコも吸わない。がやがやした人込みも苦手な僕にとって、この日本式の花見は、大嫌いな春の行事だった。



カナダに移住して13回目の春・・・13回目の桜の季節がやってきた。

カナダでは、公共の場での飲酒は禁じられている。
当然、公園やビーチなどで昼間から酒飲んで大騒ぎなんて事は許されない。

酒好きの人にはとても住み辛い国、そして写真好きにはとても住み良い国。

春風に吹かれながら、のんびりと桜の撮影をする事が出来、疲れたら桜の木の下に腰をおろしてのんびりくつろぐ事が出来る。
ここには、あたり一面に敷き詰められたブルーシートも、大騒ぎするような酔っ払いもいない。

芝生の上に寝転がり、青空をバックにほんのりと色づいた桜を見上げる事の出来るカナダの花見が、僕はとても気に入っている。




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写真家の仕事・・・

     足元の花・・・





ふ〜っ・・・

大きくため息をつき、ゆっくりと腰を下す。

重たい機材を抱え、何時間も山道を歩いた後に見つけた高原の花畑。
僕は必ず腰を下し、しばらくの間のんびりと辺りを見渡してみる。

「歩き疲れたから?」

・・・当然それも一つの理由だが、それだけじゃない。
普段の自分から目線を変えてみるんだ・・・・時には大の字になって寝転がり、流れていく雲を見上げてみるのも悪くない。

それまで見えなかった物が見え、感じなかった物がひしひしと伝わってくる。
草花と同化し、体中が大地に溶け込んで行くような、不思議な感覚に包まれる。

立っていた時の目線からでは全く気付かなかった足元の小さな草花、水滴、昆虫、石・・・見過ごしてしまいそうな些細な風景の中から、どんどん新しい発見が飛び込んで来る。





僕は植物園やチユーリップフェスティバル等へもよく出かけて行く。
だがそこには、足を止め、腰を屈めて小さな花一輪を覗き込もうとする人はほとんどいない。

人の波に流され、予め用意されたピクチャースポットで記念写真を撮ると、また足早に次の場所へと移動を繰り返す。
多くの人は、《植物園》を見にやって来て、《花畑》だけを見て帰って行く。

家の中で、一輪挿しに生けられた花には、「綺麗だね〜」「この花素敵ね〜」と声をかけるのに、大きな花畑の中で、足元に咲く小さな花一輪を覗き込む人はほとんどいない。


写真家の仕事の一つは、そんな小さな一輪の花を、見つけてあげることかもしれない・・・


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