
子供の頃、クリスマスツリーを飾り付けるのは、いつも僕の役目だった。
別にそう決まっていた訳でも、誰かに言われた訳でも無い。
ただ、僕が飾りつけをしたかったのだ。
普段滅多に入らない倉庫の扉を開け、一番奥から細長い箱を引っ張り出す。
いつから使っているのか、既に箱の所々は破けたりしてかなり年季が入っている。
少しホコリの被ったふたをそーっと開けると、窮屈そうに枝を折りたたんだクリスマスツリーが眠っていた。
「さっ、出番だよ・・・そろそろ起きてよ」
起きたばかりのツリーは、いつ見てもなんだか恥ずかしそうで、少し寒そうだ。
ツリーはゆっくり大きく伸びをするように、一本一本の枝をぐーんっと伸ばし始めた。
たっぷり眠った後はきっと身体が軽いんだろう。
「じゃあ今年も頼むよ・・・」
ツリーを真っ直ぐ立てると、早速飾り付けを開始する。
金色のベル・・・七色のライト・・・ガラス製のスノーフレーク・・・
大きく伸びていた枝が、今度は重そうに反り返っていく。
恥ずかしがっていたツリーが、急に自信たっぷりに胸を張っているようで、なんだかとても面白い。
一番最後に、銀色の大きな星をてっぺんにのせると、ツリー全体がキラキラ、キラキラ輝きはじめた。
「・・・んっ?・・・あっ、ごめん、ごめん」
僕は急いで袋の中に手を突っ込み、綿で出来たホコホコの雪を取り出した。
そして静かにそっと枝の上に被せてあげる・・・
「これでもう、寒くないだろ?」
ツリーは嬉しそうにもう一度キラッと輝いた。
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